水なすの色と風味、鮮やかに
老舗の知恵と技術が生きる新作和菓子
大砂菓 茄子菓
御菓子司 亀屋茂廣
大阪府泉州地域の特産品、水なすを原料にした大砂菓 茄子菓(おおさか なすか)。一般的ななすよりも水分が多く、ほのかな甘みのある水なすを砂糖菓子に仕立て、飴、甘納豆、干菓子と、食感の異なる3種類の菓子として製品化しました。製造している亀屋茂廣は、大阪市阿倍野区にある創業昭和11年の和菓子店です。もとをたどると、創業文化元年の老舗、亀末廣から明治時代に暖簾分けされた名古屋亀末廣から伝統と歴史を受け継ぎ、上用饅頭やきんとん、羽二重餅など、茶席に出される上用生菓子を得意としています。見た目の華やかさよりも、切ったときや口に入れたときの驚きや変化を重んじており、五感をフルに使って味わう和菓子作りが特徴です。また、大阪土産として人気の懐中志る古や、大阪ぶどうを使った葡萄実露帝(ぶどうババロッティ)など、大阪色を打ち出した現代的な和菓子も多数製造。新作和菓子の開発を担当する中島さんは「大阪産の果物や野菜の特徴を知ってもらうため、素材の色や風味を残して和菓子として表現することを心がけています」と語ります。
茄子菓においても、水なすらしさを出すためあえて皮の部分を残しており、鉄を使った漬物作りの技術を応用。また、砂糖液の糖度や炊き込む時間も研究を重ね、手に取りやすい価格を実現。大阪産素材を使った商品開発を科学的に支援する(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所と連携しながら、商品開発を進めてきました。「完成後はホテルや空港など、観光客が集まる場所での販売を予定しています」と語る中島さん。水なす以外の大阪産素材を使った新商品の開発にも着手しており、大砂菓シリーズの立ち上げと普及に励んでいます。
砂糖漬けに込められた老舗の思い
茄子菓に使われる砂糖漬けは、野菜や果物の保存に使われてきた伝統的な技術です。大量の砂糖を消費することから、現代では途切れつつあるこの技術を大切に残していくことも亀屋茂廣の願いです。
こんな時におすすめ
- お土産
- 大阪フェア
- お茶会
- ホテル
※掲載情報は事業参加当時のものです。最新情報は各企業に問い合わせください。