香りとともに感じる時の流れ
泉州地方の伝統技法が生み出すお香立て
和泉蜻蛉玉 千の時
お香立て
山月工房
光を反射し、幾重にも表情を変える美しいガラス工芸。お気に入りのお香の煙と香りとともに、リラックスタイムを美しく引き立てるお香立ては、大阪南部・和泉市にある山月工房の商品です。蜻蛉玉とはかんざしや帯留めをはじめ、仏像の装飾にも使われてきた伝統的な装飾品です。大阪府の伝統工芸品に指定されている工房は府内で2軒のみになり、中でも旧和泉の国(現在の泉州地域)の伝統的なガラス玉の技法として認定されている和泉蜻蛉玉づくりは、山月工房だけに受け継がれています。作者であり、大阪府伝統工芸士として活動する松田有利子さんは「蜻蛉玉のお香立ては色々と販売されていますが、伝統工芸品に認定されているものはほとんどありません。ガラスの中に込められた伝統の技と時の流れを感じていただきたいですね」と語ります。
和泉蜻蛉玉でつくるアクセサリーや和雑貨などを製作・販売する山月工房が「千の時」シリーズを手がけるきっかけになったのは平成22年のこと。世界遺産に認定されている京都・平等院の国宝、阿弥陀如来坐像の瓔珞(ようらく)(仏像の装飾具の一種)の復元を依頼されたことにさかのぼります。復元にあたっては国宝と同じ材料を使うことが条件となり、所蔵していた和泉の国に伝わるガラス材料の成分を分析したところ、当時のものとほとんど変わらないことが判明。「この材料は、師である父とともに苦労して手に入れた思い入れのあるもの。それが国宝の装飾と同等の組成であったことに大きな縁を感じました」と語る松田さん。その後も研究を重ね、原材料を自社生成することにも成功。和泉蜻蛉玉の魅力を広める製品づくりに意欲的に取り組んでいます。
伝統技法が生み出すこの世に一つの輝き
表面のカラフルなデコレーションは、「模様付け」という独特の工程から生まれます。ベースとなるガラスを溶かし、細かく粉砕したガラスをまぶして再度加熱。一つひとつ文様が異なる蜻蛉玉ができあがります。
こんな時におすすめ
- ごほうび
- 大阪フェア
- 日本フェア
- 癒しフェア
※掲載情報は事業参加当時のものです。最新情報は各企業に問い合わせください。